ベトナムには、コーヒーを飲み、コーヒーを栽培する豊かな伝統があり、過去数十年で主要なコーヒー輸出国、世界最大のロブスタコーヒー生産国に成長しました。しかし、ベトナムから輸出されるほとんどはコモディティコーヒーであり、ロブスタ豆は多くの場合ブレンドコーヒーや、日本のいたるところで飲まれる缶コーヒーの原料として使用されています。
コモディティコーヒーの価格は国際取引の中で決められ、生産者が作物を差別化したり、高い質、良い香りによって付加価値を付けたりする機会はほとんどありません。これは言い換えれば、収入が増加し、ダイナミックなカフェ文化が育っている国内市場向けにベトナムのスペシャリティコーヒー産業を発展させる潜在的な機会があるということです。
このスペシャリティコーヒー産業は、メロスがベトナムで実施しているプロジェクトのターゲットの一つとなっています。私たちは国際協力機構(JICA)と共に、ベトナムの農業食品バリューチェーンに対する日本および外国投資家の機会と課題を理解するための調査を実施しています。
メロス代表の小倉千沙は、農業食品バリューチェーンの専門家として、プログラム評価、投資、民間セクター開発の専門家と共に、急成長しているスペシャリティコーヒービジネス、La Vietを訪れました。オーナーのTran Nhat Quang氏は、ベトナムで高品質なスペシャリティコーヒーを作ることに熱心に取り組んでいます。同社は自らの畑でコーヒーを栽培しつつ、120の農家からコーヒー豆を集めています。同社のコーヒーの60%は、海外で焙煎するために生豆で輸出されています。残りの40%は、主に国内市場向けにLa Vietによって加工および焙煎がされています。ビジネスは拡大を続けており、ベトナムには5つの小売店があります。
La VietのオーナーであるTran Nhat Quang氏は、オリジナルのベトナム式コーヒーメーカーも発明しました。現在、東京のメロスオフィスに1つあります。私たちのオフィスでお試しください。
誰がスペシャリティコーヒー産業を推進するのでしょうか?
しかし、小さなベトナムのコーヒー生産者が、La Vietのような規模になれるのでしょうか?小規模生産者がコモディティ輸出豆の信頼できる販売チャネルを離れて、国内のスペシャリティコーヒー市場に参入するリスクを負うことは現実的なのでしょうか?投資があれば、ベトナムの生産者に本当にチャンスはあるのでしょうか?これらが私たちが答えを出そうと取り組んでいる課題です。
Nguyen Van Son氏のビジネスであるSonpacamaraは、それができる起業家がいることを示しています。Nguyen Van Son氏のビジネスは小規模です。彼は自らの4ヘクタール分とパートナーの6ヘクタール分のコーヒー豆を収穫します。かつては日本の焙煎大手のUCCに輸出をしていましたが、現在はスペシャリティコーヒーのみを扱っています。彼は自らのコーヒー焙煎機に投資し、現在では生産したコーヒーの90%を国内市場向けに焙煎しています。Nguyen氏が生産するコーヒーは非常にクリアでフルーティーな味が特徴です。
Nguyen氏はもともとコーヒーの生産者ではありませんでした。2005年に自動車ディーラーとしてのキャリアに終止符を打ち、コーヒービジネスに転身しました。起業家精神、カリスマ性、そしてコーヒーへの情熱が彼の成功を後押しし、世界中のボランティアやインターンを惹きつけています。なぜコーヒーを選んだのでしょうか? 「私はコーヒーを選んでいません」とNguyen氏は言います。「コーヒーが私を選んだ!」ようです。
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