アクアポニックスは、水産養殖(「アクア」カルチュア)と、水耕栽培(ハイドロ「ポニックス」)を掛け合わせた循環型の有機農法のことです。魚の排せつ物を微生物が分解し、植物がそれを栄養素として吸収するため、化学肥料や農薬、除草剤、殺虫剤などを用いずに野菜や果物を育てることができます。

有機野菜の需要が高まる今、注目が集まっています。アクアポニックスで育てられる野菜は、収穫サイクルが早く、収益性が高い、リーフレタス等の葉物野菜、ハーブがメインとなっています。一方、収益性を重視しないのであれば、他にも実物野菜、果樹、花、観葉植物などほぼすべての植物を育てることができます。

 

 

 

 

 

アクアポニックスはアメリカで生まれ、現在もアメリカが研究、産業ともに市場を牽引しています。アメリカでは、育てた野菜は「アクアポニックス野菜」としてブランディングされ、通常の有機野菜より高い価格で販売されています。

日本では(株)アクポニが日本初のアクアポニックス専門企業として研究開発を担うと共に技術の実装を図っています。家庭用栽培キットについては最近モデルの森星さんが自身のYouTubeで紹介して話題になりました。一方、商業用については養殖業者や農家で導入が進められていますが、アメリカに比べると有機野菜の需要が低いため、付加価値を付けて販売することが難しく、アクアポニックス野菜の市場での販売はまだ始まっていません。栽培システムそのものは学校で教育用に使ったり、病院で園芸医療用として使ったりなど、用途は様々ありますが、どのように付加価値を付けて生産された野菜等を販売していくかが今後の課題となっています。