2021年4月21日に、第1回メロス農業投資勉強会「日本における農業投資の法的課題~農業分野における最近の一連の投資法制の改革とその課題~」を開催しました。
西村あさひ法律事務所の杉山弁護士、片桐弁護士から、日本国内の規制環境の下で農業投資や農業法人のM&A及びグループ化を実現するためのビジネススキームや法務上の課題点等につき、問題提起いただき、金融機関を中心とする参加者の皆様とディスカッションの場を設けました。
日本の農業シーンにおいて、従事者の減少・高齢化の進展、規模拡大の遅れや水田余剰、気候変動対応等の課題がいよいよ顕在化する一方、SDGsや有機農業への注目、アグリ/フードテックの導入が進む中、今後、農業分野においても大規模な資金投入のニーズが生まれる可能性が見込まれます。
海外では、政府補助金の拡大に限りがある現状の中、「責任ある投資」として民間の役割が強く意識され、ESG/インパクト投資の潮流の中で、農業・農地投資ファンドが多数組成され、大規模化、更には先端的なアグリテック導入、気候変動対応や持続可能な農法拡大に、影響を及ぼす段階に至っています。
日本でも、投資の果たす役割への認識は広がり、株式会社農林漁業成長産業化支援機構法、投資円滑化法等が整備される一方、さまざまな官民の金融機関や一般企業がネクストフロンティアとして農業へ着目し、農業における投資機会の創出と投資による課題解決に向けた努力が少しずつ進められてきました。
ただし、農地法では農地所有適格法人に対する農外出資を議決権の50%未満に限っておりますし、更には転用期待による農地価格の高止まり、大規模農業経営の経験がある人材の不足等、大規模投資による産業変革への道は、今後も越えなければならないハードルが山積しています。
弊社でも、世界の食農投資が改めて注目される中、農業投資に係るご相談を頂くことが増えました。
今回、日本における農業投資を改めて考え、国内外の事例や法律等に対する知見を深めながら、関係各所の皆様がお互いにフランクに意見を交換する場を形成することで、農業分野における国内外の投資機会の拡大に資することができると面白いのではないか、と考えるに至りました。
この度、西村あさひ法律事務所アグリ・フード・リーガルプラクティスチーム(AFLP)のご協力を得られることができましたので、試行的に、農業投資に実際に係っていらっしゃる方々をお招きして、勉強会の機会を設けることにいたしました。
初回のテーマは、「日本における農業投資の法的課題~農業分野における最近の一連の投資法制の改革とその課題~」として、農業分野における投資を、日本国内の規制環境の下で農業投資や農業法人のM&A及びグループ化を実現するためのビジネススキームや法務上の課題点等につき、西村あさひの杉山先生、片桐先生から問題提起いただきます。その上で、皆様とディスカッションや交流の機会を設けました。
今後の内容は未定ですが、計5回シリーズで企画し、ESGや農業における脱炭素などの農業投資に係るテーマを取り上げてみたいと考えております。
ご興味のある方がいらっしゃれば、ご連絡ください。
メロス農業勉強会について
世界的に、SDGsやESG, インパクト投資にお金が集まり、脱炭素社会に向けた動きが加速する中で、農・食は投資家からの注目が高く、また一方で農・食の企業やスタートアップなども、そういった志向性をもった資金をどのように集めてくるかということが重要になってきました。
メロスとしても、興味を持って、グローバルな食農投資に関する情報収集を進めておりまして、その中で、ぜひ、日本でも、グローバルな視点を持った食農投資のエコシステムを構築することに貢献したいと考えるに至りました。
コロナ下ですので、手始めに、オンラインで、関係者のネットワーキングができるような勉強会を開催したいと考え、不定期5回シリーズで実施中です。幸いご好評いただいて、当初、金融機関さんを想定しておりましたが、現在、お声がけする範囲を広げているところです。ご興味があればご連絡くだい。
第1回メロス農業投資勉強会「日本における農業投資の法的課題」
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