5月11日にCIC Tokyoで開催したAgFunder–SIJ Impact Fundのローンチイベント「サステイナブルな食と農の未来を加速する:急成長するグローバルなアグリ・フードテックのスタートアップシーンと日本」、リアルで60名超、オンラインで100名超のご参加をいただき、大盛況に終わりました。
ご参加いただきました皆様、有難うございます!
弊社代表小倉がパネルディスカッション♯1「グローバルなシーンにおける日本のアグリ・フードテックへの期待とAgFunder」において、モデレーターを務めました。
AgFunderから今年1月のシリーズAラウンドで投資を受け入れたインテグリカルチャー CEO 羽生 雄毅 氏からは、英語での情報発信の重要性が強調され、アグリテック・フードテックのメディアも持つAgFunderとの戦略的なパートナーシップによって得られる情報発信力と、農食分野のコーポレートの投資家とのマッチングなどの次のステージへの成長につながるサポートを得ていることをご紹介いただきました。
会場からの「日本の食・農分野のスタートアップに対する助言は?」との質問に対して、AgFunder AsiaのJohn Friedmanが様々なポイントを挙げましたが、特に各ファンドの投資の方針やポートフォリオなどについて事前に良く調べ、その上でアプローチすることが必要だとの指摘がありました。
日本のアグリテック・フードテック企業で、海外ファンドからの投資を受け入れている例はまだまだ少ないので、AgFunderとインテグリカルチャーがどんな風に協業しているのか、今回当事者から話を伺えたことが、今後につながると嬉しく思います。
続く、パネルディスカッション # 2では、「急成長するグローバルなアグリ/フードテック投資とESG/インパクト」と題して、SDG Impact Japanの小木曾 麻里氏がモデレータとなり、AgFunder-SIJ Impact Fundのファーストクローズで出資された、明治ホールディングス 価値共創センター センター長 長田 昌士 氏、アサヒクオリティーアンドイノベーションズ 新規事業開発部 部長 前田 匡毅 氏に加え、ESG投資の専門家 ニューラル 代表取締役CEO 夫馬 賢治 氏を迎えてのディスカッションになりました。
特に、明治はホールディングスとして、2019年にイノベーション共創の取り組みを加速すべく価値共創センターを設立し、企業の中核事業として据える乳やカカオなど、サステイナブルなソーシングが待ったなしの状況の中で、海外スタートアップとの連携にも力を注がれてきたことが、今回の出資に繋がったとのご紹介がありました。
アサヒクオリティーアンドイノベーションズも、アサヒグループの中で、各事業部の研究・開発部門とは独立したホールディングス直属の研究・開発組織となっており、より積極的にリスクをとりながら海外連携案件を進められている状況です。特にアサヒグループ全体で、M&A等を通じて欧州進出を積極的に進められてきたこともあり、欧州の高いスタンダードを取り入れる体制が整えられてきました。また産業として副産物の排出が必ずある状況の中で、どのようにサステイナブルな産業を確立するかという点は今後のビジネスの大きな焦点になっており、サステイナブル投資について高い興味を持たれていることも今回の出資に繋がっていらっしゃるようです。
ニューラル 代表取締役CEOの夫馬 賢治氏からは、世界的にESGの評価軸などの基準が形作られていく中で、食品産業では、エネルギーセクターの水素や太陽光などのようにある程度決まった解決法というのがまだ見つかっておらず、関連するプレイヤーが皆「真綿で徐々に締め付けられている」ような状況ではないか、という面白い表現の説明がありました。
イベント終了後の交流会も、皆さんコロナ後に久しぶりのこういった集まりで、大変盛り上がりました。食品のサプライチェーンのサステイナビリティについてはまだまだ語られる場面が少なく、今回初めて認識したり、世界の状況の進展に驚かれたとの声をたくさん聴いたのが印象的でした。
日本の食・農業界として、サステイナビリティを経営の中核に据える機運は徐々に盛り上がりを見せていますが、もっと世界にキャッチアップして、さらには積極的に発信していく必要性が高いと改めて認識しました次第です。
【AgFunder SIJ Impact Fundについて】
今年3月に、SDG Impact Japanと、シンガポールのベンチャーキャピタルAgFunder Asia Pte Ltd. (AgFunderグループ)が、グローバルなアグリテック及びフードテックに投資するインパクトファンド「AgFunder SIJ Impact Fund」を設立しました。
AgFunder SIJ Impact Fundは、持続可能な食糧システムを実現する可能性を持つ優れたスタートアップをグローバルに発掘し、投資することを計画しています。特に、グローバルなシーンでの日本の事業会社さんや機関投資家さんの投資家活動を支援するため、グローバルシーンに係る情報提供やAgFunderがシンガポールで運営するアクセラレータプログラムへの参画などのサポートが準備されています。
また、AgFunderは、日本の食農分野のスタートアップ企業の発掘にも力を入れており、海外の投資家とのマッチアップの他、海外スタートアップ企業の日本における事業展開等の支援も行う考えです。
ファーストクローズでは、明治ホールディングス株式会社とアサヒグループホールディングス株式会社により総額10億円の出資を受けました。
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