ESG課題に関わり、日本の中小の食品関連企業が、どのようなことを検討して、どのような準備をすればいいのか、というようなことを考えるためのガイド「令和5年 食品企業のためのサステナブル経営に関するガイダンス」が、農林水産省で2023年3月に公表になりました。有識者として、弊社代表の小倉も、ガイダンスの作成に関わらせていただきましたので、ご紹介いたします。

「令和5年 食品企業のためのサステナブル経営に関するガイダンス」https://www.maff.go.jp/j/shokusan/fund/esgitakuR4.html

本ガイダンスは、農林水産省の発案で、中小を含めた食品企業全体としてのESG課題への取組の底上げを図るため企画・準備されたものです。大手食品企業と中堅・中小企業が相互理解のもとで、連携した取組が進められるよう、主に中堅・中小企業の経営者や実務担当者に直接活用いただくことが想定されています。

食品企業に関わりが深い環境・社会課題ごとに、取組に係る目標設定、具体的な取組方法、情報開示の方法等を取りまとめています。特に、ESG課題に対しての情報開示が求められている大手の上場食品メーカーは、彼らの既存のサプライヤーである中堅・中小企業と共に取り組み、十分な支援を提供しながら、業界全体の底上げを図りたい考えです。

農林水産省では、生産から加工、流通、消費に至るサプライチェーン全体で、生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定しており、食品産業におけるサステナブルな調達と経営を支援するための一貫として、本ガイダンス作成が進められました。

本ガイダンスを作成するために実施された農林水産省「令和4年度食品企業のESGの取組に係る目標設定・開示方法に係る調査委託事業」において、弊社小倉が、有識者の一人として、ガイダンス全体の方向性、含むべき内容や、内容バランス、表現の方法等についてアドバイスするなど、ガイダンス作成に関わらせて頂きました。

食品会社にとってのESG課題とは、サステイナブル経営とはという概説から始まり、ガバナンスの問題、GHG削減、人権、食品ロス、脱プラ、アニマルウェルフェアに、生物多様性まで、なかなかに盛沢山な内容です!重要なポイントや背景資料など、網羅的にとりまとめられているので、最初の取り掛かりに非常に役に立つ資料かと思います。

こちらも、同じく小倉が有識者として関わらせて頂いた「令和3年度ESG投資に係る食品産業等への影響調査委託事業」を基にしながら、更に国内の大手食品企業への多数のインタビューを基に、サプライチェーン全体の革新のために、特に中堅・中小企業において取り組みを進めてもらいたい点を中心に、できるだけ簡潔にとりまとめられています。